【オフィスチェアの選び方】押さえておきたいポイントを紹介

オフィスチェアとは、その名の通り会社のオフィスで使う椅子のことです。
一日の大半を座って作業する方にとって、快適な作業環境はオフィスチェアが握っているといっても過言ではありません。
しかし、さまざまな種類があるため、どのようなものを選んだら良いのかわからないという方も多いでしょう。
そこで本記事では、オフィスチェアの選び方について網羅的にご紹介します。
オフィスチェアの選び方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
オフィスチェアとは
オフィスチェアとは、会社のオフィスで使うことを想定して作られた椅子のことです。
以下のような機能や特徴があります。
- 立ち座りしやすい
- 長時間座っても疲れにくい(通気性が高い・肩こりや腰痛になりにくい材質など)
- キャスターが付いて向きを変えたり移動したりしやすい
- 座面の高さ調整・背もたれの角度調整が可能
- 肘掛に調整機能がある(肘掛けが付いていないものもある)
基本的には上記のとおり機能を追求して作られていますが、デザイン重視のものもあります。
オフィスチェアと呼称されるものの、近年は在宅ワークの需要も高まり家庭での使用が増えているのも特徴です。
オフィスチェアの寿命と買い替え時期
日本オフィス家具協会(JOIFA)によると、椅子の標準使用期間は5年とされています。
5年を超えると経年劣化により、重大事故につながる可能性が生じるとのことです。
「ただちに買い替えなければならない」というわけではありませんが、劣化する箇所がふえてくるため、5年を基準にするとよいでしょう。
各性能に問題がないか、がたつきやぐらつきはないか、などに注意し異常があれば買い替えを検討してください。
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オフィスチェアの寿命と買い替えのタイミング
オフィスチェアの選び方とは?押さえておきたいポイント
快適なオフィス環境は、オフィスチェアによって決まるといっても過言ではありません。
よりよい環境で作業できるよう押さえておきたいポイントをご紹介します。
長時間座っていて疲れないか
長時間座って作業することが多いオフィスでは、体への負担を考慮する必要があります。
負担がかかりにくく、疲れにくい作りのオフィスチェアを選びましょう。
疲れにくいオフィスチェアの条件は以下の3点です。
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「体圧分散」されている
体圧分散とは、体がある場所に触れた時にかかる圧力(体圧)を広い面に逃がすことをいいます。
座面が硬いとおしりの触れた部分に体圧が集中し、長時間同じ姿勢でいると痛くなってしまいます。逆に座面が柔らかければ、おしりの広い部分に圧力がかかるため、体圧分散されるということ。
この体圧分散機能に優れたオフィスチェアを選びましょう。
注意点として、柔らかすぎると腰痛の原因になってしまいます。
そのため、適度な柔らかさでおしり全体をつつみこんでくれる座面のものがよいでしょう。
背骨を自然な「S字形状」
人間の正常な背骨はS字形状になっていて、上半身の重さが直接足腰に強くかからないよう、衝撃を吸収してくれます。
しかし、椅子に座った姿勢ではS字が崩れ、全体的に丸みをおびたアーチ状に変化します。
この姿勢では肩や腰に負担がかかるため、座っていてもS字形状に近い姿勢をたもつことが大切です。
そこで、オフィスチェアは背もたれの腰部分が少し前に反っているものを選びましょう。
腰骨が適度に反って骨盤が起きるため、座っていても自然なS字形状になります。
サイズ調整ができる
オフィスチェアはさまざまな体型の方が座ることを考慮し、各部を調整できるようになっています。
多くは座面の高さ・奥行や、肘掛けの位置・高さの調整が可能です。
体型に合わせて負担のかからない姿勢にしましょう。
肘・股関節・ひざ・足首の関節がすべて90度になると理想的です。
張地で選ぶ
張地とは、椅子の表面をおおっている生地のことです。
張地によって、座り心地・見た目・手入れのしやすさなどが異なるため、以下を参考に選んでみましょう。
| 張地の種類 | 特徴 |
| メッシュ | ・通気性が高く蒸れにくい ・軽やかなデザイン ・しなりによって体にフィットしやすい |
| クッション | ・座ると包みこむように柔らかい ・丸みを帯びた柔らかい印象 ・疲れにくい ・温かい座り心地 |
| 布張り | ・スタンダードな素材 ・多くの商品に採用 ・好みの色を見つけやすい |
| 合皮 | ・人工皮革・合成皮革・ビニールレザーなどからできている ・汚れ・摩擦に強い ・掃除しやすい ・蒸れやすい ・熱に弱い |
| 本革 | ・素材が高級 ・重厚感があり、会社の重役などが使用することが多い ・価格が高い |
座面の素材で選ぶ
座面の素材は座り心地の良し悪しに直結します。
以下を参考に、お好みの座面の素材を選んでみましょう。
| 座面の素材 | 特徴 |
| メッシュ | ・通気性が高い ・座面に使用される場合は高級な椅子に多い |
| ウレタン | ・一般的に使用され、長時間の作業に向いている |
| モールドウレタン | ・長時間使っても座面が型崩れしにくい ・デザインどおりの成形ができ、お尻/太もも/ひざ裏などへの負担が少ない |
色で選ぶ
長く座るからこそ、色の好み・デスクとの組み合わせ・オフィスの雰囲気などに合わせたものを選び、気分よく作業できるものを選びましょう。
オフィスで人気のカラー4色について、以下でご紹介します。
| 色 | 特徴 |
| 黒 | ・オフィスで定番のカラー ・高級感・スタイリッシュさを求めるなら黒一択 ・手入れも楽で、汚れが目立ちにくい |
| 青 | ・爽やかさがあり、老若男女問わず人気 ・オフィスで使いやすい無難なカラー |
| 緑 | ・近年は定番カラーとして取り入れられている ・やさしさや親しみといった暖かい雰囲気を感じたり、リラックス効果を得たりできる |
| オレンジ | ・女性に人気のカラー ・華やかではつらつとした雰囲気を求める方におすすめ ・カジュアルなオフィスにピッタリ |
背もたれの高さで選ぶ
背もたれの高さは「ローバック(低い)」と「ハイバック(高い)」に分けられ、背中のサポート力や価格が異なります。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
| 背もたれの高さ | 特徴 |
| ローバック | ・ハイバックと比較して価格が安い ・見た目がスッキリとしている ・背中のサポート力はハイバックよりも低い |
| ハイバック | ・背中を広く支えるため長く座っても疲れにくい ・価格はローバックよりも高い ・ヘッドレスト付きのものもあり、体格に合わせて角度・高さなど調整可能 ・後ろにもたれて座る方に適している |
ロッキング機能で選ぶ
背もたれによりかかると後ろに倒れ、ゆらゆら動く機能をロッキングといいます。
オフィスチェアにはこの機能が備わっていることが多く、体を休めたい時に使うと効果的です。
ロッキング機能には以下4つの種類があります。
| ロッキングの種類 | 特徴 |
| 背もたれロッキング | ・背もたれのみロッキングする ・一般的なオフィスチェアに多い |
| 背もたれ・座面ロッキング | ・背もたれと座面の角度が固定されたままロッキングする ・座面も一緒に動くため、前にお尻がずりにくい |
| シンクロロッキング | ・背もたれと座面の角度が2:1の割合でロッキングする ・ロッキングの動きが自然な体の動きに近く、負担が少ない ・リラックスして座れ、仮眠もできる ・価格は高い |
| フロントロッキング | ・背もたれ/座面ロッキングと同様、両者の角度が固定されたまま動くが、大きな違いはロッキング時に座面の後ろが下がるようになっている ・お尻の前ずりがなく、足が宙に浮くこともなく座れる ・太ももの負担が軽くなる |
肘掛けの有無で選ぶ
作業時間やスペースの広さに応じて、肘掛けの有無を検討しましょう。 肘掛けの有無と種類ごとの特徴は以下のとおりです。
| 肘掛けの有無・種類 | 特徴 |
| 肘掛けなし | ・作業時間が短い/デスク幅が狭い/席を外すことが多い場合に適している ・価格は比較的安い ・肘の置き場所がないため腕を休ませられない |
| 固定肘 | ・作業時間が長い場合に適している ・肘を置いて休みながら作業できる ・体格が大きいと狭く感じる |
| 可動肘 | ・肘の角度が調整できる ・デスク幅に応じて好みの角度に調整できる ・価格は高い |
リクライニング機能で選ぶ
リクライニング機能は、作業姿勢と休憩姿勢を自然に切り替えられる点が大きな魅力です。
背もたれの角度調整が可能なチェアを選ぶことで、腰や背中の筋肉への負担を軽減できます。
角度を固定できるタイプなら、集中作業時とリラックス時で姿勢を安定させやすいです。
また、座面と背もたれが連動して動くシンクロロッキング機構付きのモデルは、より自然な動きをサポートします。
長時間作業でも疲れにくい環境をつくるには、リクライニングの調整範囲や固定位置の数も確認しておくと安心です。
ヘッドレスト機能で選ぶ
ヘッドレストは、長時間のデスクワークにおいて首や肩の負担を軽減し、正しい姿勢を維持するために欠かせない機能です。
とくに、モニター作業や電話対応が多い職種では、頭部を支えることで首の筋肉が緊張しにくくなり、肩こりの予防にもつながります。
高さや角度を細かく調整できるタイプなら、体格や座高に合わせて最適な位置に設定できるため、快適性が大きく向上します。
リクライニングと連動して動くヘッドレスト付きモデルを選ぶと、背もたれを倒しても自然な姿勢を保てる点もメリットです。
長時間の集中作業や休憩時のリラックス姿勢をサポートする機能として重視しましょう。
キャスターで選ぶ
キャスターはほとんどのオフィスチェアについています。
デスクに出し入れしたり座ったまま動いたりするため、動きやすさを確認しましょう。
また、床を傷つけないよう、キャスターの素材と床との相性も考慮すべき要素です。
キャスターの素材と特徴は以下のとおりです。
| キャスターの素材 | 特徴 |
| ナイロン | ・一般的に使われている ・カーペットの上で使いやすい ・フローリングは傷がつきやすい |
| ウレタン | ・カーペットの上では滑りが悪い ・ナイロンよりも柔らかく、フローリングを傷つけにくい |
| ゴム | ・フローリングやタイルなどの滑りやすい床に適している ・ゴム製のため、床を傷つけにくい ・カーペットで使うと繊維やホコリがからんでしまう |
| 金属 | ・重量がある ・耐久性があり壊れにくい ・高級なものに多く採用 ・価格は高め |
オフィスチェアを選ぶ時のポイント
快適で集中しやすい環境をつくるには、オフィスチェア選びが大切です。
座り心地以外にも、以下を基準に選ぶとよいでしょう。
オフィスチェアを選ぶ際のポイント
- 現物を体験してから購入する
- 長時間でも疲れないものを選ぶ
- 座面の大きさを確認しておく
オフィスチェアの導入を検討している人は、参考にしてください。
現物を体験してから購入する
オフィスチェアは見た目だけでは座り心地が分からないため、可能であれば店舗で実際に試座してから選ぶことをおすすめします。
同じ価格帯でも、座面の硬さや背もたれの反発力、リクライニングの感覚には大きな差があります。
とくに長時間作業する人ほど、自分の体格や姿勢にフィットするかを確認することが大切です。
オンライン購入の場合は、返品・交換対応の有無を事前に確認しておくと安心です。
長時間でも疲れないものを選ぶ
オフィスチェアは、1日中座って作業することを前提に、疲れにくさを重視して選びましょう。
腰や背中への負担を軽減するには、体圧を分散するクッション性の高い座面や、背中を支える背もたれが効果的です。
通気性の高いメッシュ素材は、蒸れを防ぎ快適さを保てます。
さらに、リクライニング機能やランバーサポートが付いたモデルを選ぶと、姿勢を変えながらリラックスでき、集中力の持続にもつながります。
座面の大きさを確認しておく
座面の広さは、快適な座り心地を左右する大切なポイントです。
狭すぎると太ももが圧迫され、血流が悪くなりやすくなります。
反対に広すぎると背もたれに深くもたれにくくなり、姿勢が崩れやすくなります。
理想は、座ったときに太もも全体が支えられ、ひざ裏に少し余裕があるサイズです。
自分の体格に合わせて座面の幅・奥行を確認し、姿勢を自然に保てるチェアを選びましょう。
オフィスチェアを選ぶ際の注意点
デザインや価格だけで判断すると、実際の使用感に不満が残ることがあります。
オフィスチェアは体へのフィット感や調整機能が大切です。
ほかにも、以下の注意点を意識しましょう。
オフィスチェアを選ぶ際の注意点
- 座高の高さが調整できるかどうか
- ランバーサポートの有無
- アームレストが調整できるかどうか
購入前に、高さ調整やサポート機能の有無など、使い続けて快適かどうかを確認しておきましょう。
座高の高さが調整できるかどうか
座高が合わないと、肩こりや腰痛の原因になります。
高さを調整できるチェアであれば、机の高さや使用者の体格に合わせて最適な姿勢を保てます。
目安として、座ったときに足裏が床につき、ひざの角度が90度前後になる高さが理想です。
ガス圧式の昇降機能を備えたモデルなら、ワンタッチで細かい調整ができるため、複数人で共有する場合にも便利です。
ランバーサポートの有無
腰の自然なカーブを支えるランバーサポートは、長時間作業でも腰への負担を軽減します。
背もたれの下部にクッションや可動式パッドが付いたタイプを選ぶと、正しい姿勢を保ちやすく、腰痛予防にも効果的です。
とくに長時間パソコン作業を行う人や、姿勢が前のめりになりやすい人には必須の機能といえます。
高さや奥行を調整できるタイプなら、体型に合わせて最適なサポート位置を設定できます。
アームレストが調整できるかどうか
アームレストは腕や肩の負担を軽減し、リラックスした姿勢を維持するために大切です。
高さや角度、前後位置を調整できるタイプを選ぶと、作業内容に合わせて姿勢を変えやすくなります。
固定式の場合、体格に合わないと腕が持ち上がったり、逆に沈み込んだりして疲労の原因になります。
とくに長時間タイピングやマウス操作を行う人は、調整式アームレスト付きモデルを選ぶことで、肩こりの軽減や姿勢改善が期待できるでしょう。
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オフィスチェアのブランド紹介
オフィス家具を取り扱うブランドは多く、どれを選んだらよいのかわからないという方もいると思います。
そこで、代表的なオフィスチェアのブランド4社をご紹介します。
オカムラ
オカムラは、高品質なオフィス家具で業界トップクラスのシェアをほこる老舗ブランドです。
イタリアのトリノに本社がある世界屈指のデザインファーム「イタルデザイン」とコラボした商品もあります。
使う方のさまざまなニーズに応じて選択でき、個々にピッタリのものが見つかるでしょう。
人間工学にもとづき、疲れにくく座り心地のよい作りとなっています。
イトーキ
イトーキのオフィスチェアは「低価格で高品質」を実現しています。
「フロート・ベンディングシート」という「浮かぶように座る」座面が標準装備されていることが特徴です。
コストパフォーマンスが高いため、社員数が多く、たくさん購入したい会社にピッタリです。
また、デザイン性にも富んでおり、使いたいシーンやオフィスの雰囲気に応じて選択肢が広がるでしょう。
コクヨ
コクヨのオフィスチェアは「体圧分散」「自然なS字形状」「適性サイズに調整できること」の3原則に、もうひとつの付加価値を与えているのが特徴です。
タブレットやスマートフォンを使用するような、多様な働き方に合わせた機能が備わっています。
悪い姿勢でも負担がかかりにくいよう、前傾や後傾姿勢に対応して各部を調整できる仕組みです。
良い姿勢になる作りを追求するのが一般的ですが、コクヨはあえて悪い姿勢でも負担がかからないように工夫する、斬新な発想をもっています。
ハーマンミラー
ハーマンミラーは、アメリカのミシガンに本社を置く海外ブランドです。
高品質なオフィス家具は世界で評価されています。
人間工学にもとづき、快適さを追求した高い品質に人気があります。
あらゆる体型をサポートするモデルや、高い調節機能・動きやすさなどを重視したモデルなどさまざまです。
高級オフィスチェアを代表するブランドですが、比較的低価格なモデルもあります。
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オフィスチェアの選び方を知り快適な作業環境を
本記事では、オフィスチェアの選び方についてのポイントを網羅的にご紹介しました。
長く座るからこそ、こまかい部分にまで目を向け、体に負担をかけないものを選んでください。
本記事が理想のオフィスチェア選びのお役に立つことができれば幸いです。
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